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PERSIAN CARPET

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ペルシア絨毯情報

ケルマーン産の絨毯について

イラン高原南東部、キャヴィール砂漠の南、ルート砂漠の西に位置するケルマーンは、3世紀サーサーン朝ペルシアのアルダシールⅠ世によって建設されたといわれている。インドへのルートの中継点にあたり、昔から侵略と虐殺の凄惨な歴史を歩んできた町でもある。作物の望めない不毛の地で、古くから織物や刺繍が発達した。マルコポーロもここを通過し、美しいショールや刺繍を絶賛している。絨毯づくりの伝統も長く、サファヴィー期のサングスコ絨毯や花瓶文絨毯など名品も数多く生み出している。

 

19世紀末、それまで隆盛を誇っていたショール産業が衰退する頃、絨毯産業への転換がはかられ、絨毯需要の急増からイランでも屈指の絨毯産地に発展した。20世紀前半にはイギリスやアメリカの絨毯会社がオフィスをもち、歴史上の人物を織り込んだポートレイト絨毯や肖像絨毯、無地グラウンドのメダリオンをもつアメリカン・ケルマーン、ショール時代を彷彿させる花文様の絨毯が数多くつくられた。ケルマーン独特の緻密で美しい伝統的絨毯は、ケルマーンとその北にあるラーヴァル村を中心につくられてきた。その他、インパール、クーバハーン、マーハーン、タハルード、ザランドなど、​ケルマーン周辺の町や村で、ケルマーンの名を冠した絨毯が制作されている。

 

制作される絨毯のサイズは幅広く、小さなものから大きな部屋敷サイズまである。カラーは近年のものではライム・グリーンやピンク、アイヴォリー、グレー・ブルーなどを含むパステル・カラーのものが多く見られ、オールドやアンティークでは、赤や赤紺の草木染めによるものが中心となっている。デザインは、ペルシアの伝統図柄のみならず、西洋の花文様も数多く見かける。縞柄、反復文、花瓶文、メダリオン、ミラーはもとより、庭園文、動物文、狩猟文、ピクトリアルなどが含まれる。ボーダーにも流行の花文、とくにアメリカ好みのものが見られる。オールドやアンティークのものは、エレガントで豊かに描かれ、花文のメイン・ボーダーが1本のマイナー・ボーダー、細いガードに挟まれている。

地組織は、縦糸、緯糸ともに綿。

織り密度は町の工房のものは、ペルシア結びで3,500kn〜5,000kn/dm2(320kn/in2)。細かいものでは6,500kn/dm2それ以上のものもある。遊牧系ではトルコ結びで2,000kn/dm2前後とされる。パイルに用いられるウールは輝くようで良質だか、柔らかくやや耐久性に乏しいとされる。品質は安価なものから最上品まで、その幅は大きいとされる。オールドやアンティークものはコレクター・ピースとなっている。

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