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PERSIAN CARPET

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ペルシア絨毯情報

シーラーズ(シラーズ)産の絨毯について

海抜約1,600mの高地にあり、温和な気候に恵まれたシーラーズは南ペルシアの中心都市として古くから栄えたきた地で、ハーフェズやサアディーなどの詩人が愛でたバラの街として名高く、また、千もの庭園を擁する街としても知られてる。ファールス州の州都として、商業もよく発達し、伝統的な通商を基盤に産業も発展し、とくに絨毯の一大商業センターとなっている。

この地、ファールス地方での絨毯づくりの記述は、9世紀頃に遡り存在するが、街そのものでつくられたことはなく、シーラーズの名で絨毯が取引されはじめたのは、19世紀以降のことで、その多くはシーラーズ周辺の小さな町や村の工房か、遊牧民の織り機、あるいはそのあたりに定住した部族民、ガシュガーイー族やハムセ連合、ファールス州のロル族やアラブ系のグループによってつくられたものといわれ、そのほかアフシャール族やファールス州の絨毯がシーラーズを集散地として取引されてきたといわれる。

このシーラーズの街を通じて取引される南ペルシアの絨毯は1.5×2.2mまでの小さなサイズのものが大半で、例外的に8㎡を超えるものもあるとされる。

カラーは、赤、赤茶、赤-青、あるいは茶が主色となっており、これに対照色あるいは装飾色、縁取りの色が加えられている。オールドやアンティークでは、使い込んだ古い色調が生まれ、やや暗い外観を呈するといわれる。

デザイン・パターンは、花文や幾何学文、アラベスクなど多様性に富んでおり、多くの異なった部族の多様な源泉が南ペルシアの絨毯に比類ないパターンを与えている。

その中で、とくに好んで用いられるものは、小さな花弁や葉文様、ダイアモンド、多角形、小さな多様性に富んだ充填モティーフなどである。

ボーダーは、1本のメイン・ボーダーあるいは太さの同じ3本のボーダー、何本かのマイナー・ボーダーあるいはガードの縞柄を伴っているのが一般的で、シーラーズ周辺のガシュガーイー族のものでは、小さな長方形、時に花文のモティーフがパイル織りあるいは平織りで両端に織り込まれている。

織り組織は、たて糸、よこ糸ともに主に羊の毛、場合によっては山羊の毛が用いられる。

織りはガシュガーイーの良品を除けば、通常粗く、平均して900〜1,200kn/dm2(1㎝角に3×3〜3×4)程度で、ペルシア結び、トルコ結び両方見られる。

パイルは少し長いめか長く、その出自によるが、概して、異なったタイプの良質のウールが用いられている。

品質は、下級品から上級品まで全体として幅広いため、シーラーズの絨毯は注意深く選別される。オールドやアンティークのものは、装飾要素もあり、トップクラスに入り、投資価値のあることが立証されている。

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