
数寄の絨毯 ppckm.net がお届けする
ペルシア絨毯情報
PERSIAN CARPET


数寄の絨毯33222/ペルシア
ギアサバード・メヘラーブ文様絨毯
約202x125㎝
¥326,000
ギアサバードメヘラーブ文様絨毯:202x125㎝
ペルシア語でドザールと呼ばれる中振りサイズの絨毯で、2人掛け、3人掛けのソファー前の中敷などにご使用いただけます。
商品登録情報
商品名/ギアサバード・メヘラーブ文様絨毯
品番/数寄の絨毯33222-88
生産地/イラン・ギアサバード
製作年代/近作(経年0〜10年/未使用品)
サイズ/202x125㎝
パイル/ウール
縦糸/綿
織り密度/1㎝角に7×6=42kn(ノット)
計算上の総ノット数/1,086,750kn
※knとはknot(ノット=結び)の略
手織り工程における所要製作時間/約1,087時間
(熟練工/手織りスピード1,000kn/時として換算)
※1,086,750kn÷1,000kn=1,087時間
単価評価: ¥300/1,000kn
販売価格:¥326,000
※1,086,750kn×(¥300/1,000kn)=¥326,025
※単価評価
対象作品(絨毯)の1,000ノットあたりの評価額。
商品解説
アラビア語由来のサッジャーデと呼ばれるプレイヤー・ラグ、いわゆる礼拝絨毯用などに見られる意匠、メヘラーブ(ミフラーブ)モティーフのデザイン絨毯。
メヘラーブとは、モスクの中のメッカの方向(アル・ギブラ=向かう方向)につくられた壁がん(アーチ型の窪み)のこと。このアーチ型の窪みをデザイン化したのがメヘラーブ・デザインといわれるもので、もっともイスラーム的なデザインとされる。
制作地はキアサバードと表記されているが、この制作地に関する詳しい商品情報が付加されておらず、また、イラン国内には同音の地名が複数あるため、地名のみで制作地を特定することは困難だが、そのデザイン様式から、西ペルシアと中央ペルシアの中間地域にあるファラファーン地区のサールーグ(サルーク)周辺の村で制作された絨毯ではないか…と推測される。
サイズはペルシア語でドザールと呼ばれる202×125㎝の部屋敷サイズ。織り密度は4,200kn/dm2(1㎝角に7×6)。ペルシア絨毯の一般的クオリティー指標であらわすと45RAJ相当となり、細かな織りの上質な絨毯に分類される。
ギアサバード絨毯について
ギアサバートという同音の地名は、イラン国内に複数にあり、この地名だけで、制作地を特定することは困難だが、同産地とされる複数の絨毯に見られる特徴的なデザイン様式から、西ペルシアと中央ペルシアの中間地域にあるファラファーン地区に点在する小さな絨毯産地のひとつではないか…と推測される。
イラン中西部に位置するファラファーン平原は、19世紀から傑出した絨毯の生産地として西欧に知られているが、ただ、その生産地としての概念は意外と漠然としており、よくアラークとゴム(クム)、カーシャーンの間にある三角地帯と説明されることがある。
アラークはかつてソルターナーバードと呼ばれ、19世紀ヨーロッパにペルシア絨毯の需要が高まった頃、マンチェスターに本拠を置くズィーグラー商会が欧州向け絨毯の現地生産に着手した地である。
またゴム(クム)は今日、絹絨毯の産地としてよく知られ、ファラーハーン絨毯に類似した構図の絨毯もよく織られている。歴史ある工芸の街カーシャーンはサファヴィー朝以来、数々の名品絨毯を生み出してきた地である。
いずれにしても、19世紀末からファラーハーン地区では見事な絨毯づくりが行われてきた。因みに、この地区で制作される絨毯のデザインは大きく3つの類型に分けることができるとされる。
まず第1は細かいモティーフが散りばめられた総柄のタイプ。このモティーフには、ヘラーティー、ゴレ・ヘンナ(ヘンナの花)、ボテ、ミーナー・ハーニーなどが用いられる。
ヘラーティーとはアフガニスタンのヘラート(かつてはペルシア領)に由来するモティーフで、花や葉で構成された複雑なパターンである。この葉が魚に似ることからマーヒー(ペルシア語で魚の意)とも呼ばれる。
このマーヒー意匠は北西ペルシアでよく見かけるが、18世紀アフシャール朝のナーデル・シャーがヘラートからデザイナーや織り職人をこのあたりに移動させたことにより伝えられ、発達したデザインだといわれている。
第2のタイプは、上記モティーフの色調などを変化させてメダリオンの構図を形成するデザインである。このメダリオンの形状には、ダイアモンドや六角形、楕円などがあり、上下のペンダントを強調したものも見かける。
そして第3のタイプが、一般的なメダリオンであり、また、例外的に本作のようなメヘラーブ・タイプの絨毯も見受けられる。
織りの特徴としては、地組織には経糸、緯糸とも綿が使用さおり、パイルには上質でしっかりとしたウールが用いられ、短く刈リ込まれている。織り方は左右均等結び(トルコ結び)のものと左右非均等結び(ペルシア結び)のものの両方が見られる。