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ペルシア絨毯情報
PERSIAN CARPET
数寄の絨毯33229/ペルシア
ギアサバード・メダリオンコーナー文様絨毯
約206x132㎝
¥342,600
商品登録情報
商品名/ギアサバード・メダリオンコーナー文様絨毯
品番/数寄の絨毯33229-83
生産地/イラン・ギアサバード
製作年代/2000年頃(経年15〜20年/未使用品)
サイズ/206x132㎝
パイル/ウール
縦糸/綿
織り密度/1㎝角に7×6=42kn(ノット)
計算上の総ノット数/1,142,064kn
※knとはknot(ノット=結び)の略
手織り工程における所要製作時間/約1,087時間
(熟練工/織り手のスピード1,000kn/時として換算)
※1,142,064kn÷1,000kn=1,142時間
手織り工程における所要製作日数:約143日
※1,142÷8=142.75(8時間労働/日として換算)
単価評価 : ¥300/1,000kn
販売価格:¥342,600
※1,142,064kn×(¥300/1,000kn)=¥342,619
※単価評価
対象作品(絨毯)の1,000knあたりの評価額。


ギアサバード・メダリオン・コーナー文様絨毯:206x132㎝
ペルシア語でドザールと呼ばれる中振りサイズの絨毯で、
2人掛け、3人掛けのソファー前の中敷などにご使用いただけます。
ギアサバートという同音の地名は、イラン国内に複数にあり、この地名だけで、制作地を特定することは困難だが、同産地とされる複数の絨毯に見られる特徴的なデザイン様式から、西ペルシアと中央ペルシアの中間地域にあるファラファーン地区に点在する小さな絨毯産地のひとつではないか…と推測される。
イラン中西部に位置するファラファーン平原は、19世紀から傑出した絨毯の生産地として西欧に知られているが、ただ、その生産地としての概念は意外と漠然としており、よくアラークとゴム(クム)、カーシャーンの間にある三角地帯と説明されることがある。
アラークはかつてソルターナーバードと呼ばれ、19世紀ヨーロッパにペルシア絨毯の需要が高まった頃、マンチェスターに本拠を置くズィーグラー商会が欧州向け絨毯の現地生産に着手した地である。
またゴム(クム)は今日、絹絨毯の産地としてよく知られ、ファラーハーン絨毯に類似した構図の絨毯もよく織られている。
歴史ある工芸の街カーシャーンはサファヴィー朝以来、数々の名品絨毯を生み出してきた地である。
いずれにしても、19世紀末からファラーハーン地区では見事な絨毯づくりが行われてきた。因みに、この地区で制作される絨毯のデザインは大きく3つの類型に分けることができるとされる。
まず第1は、細かいモティーフが散りばめられた総柄のタイプ。このモティーフには、ヘラーティー、ゴレ・ヘンナ(ヘンナの花)、ボテ、ミーナー・ハーニーなどが用いられる。ヘラーティーとはアフガニスタンのヘラート(かつてはペルシア領)に由来するモティーフで、花や葉で構成された複雑なパターンである。この葉が魚に似ることからマーヒー(ペルシア語で魚の意)とも呼ばれる。
このマーヒー意匠は北西ペルシアでよく見かけるが、18世紀アフシャール朝のナーデル・シャーがヘラートからデザイナーや織り職人をこのあたりに移動させたことにより伝えられ、発達したデザインだといわれている。
第2のタイプは、上記モティーフの色調などを変化させてメダリオンの構図を形成する本作のようなデザインの絨毯である。このメダリオンの形状には、ダイアモンドや六角形、楕円などがあり、上下のペンダントを強調したものも見かける。
そして最後、第3のタイプとして、一般的なメダリオンがある。織りの特徴としては、地組織には経糸、緯糸とも綿が使用さおり、パイルには上質でしっかりとしたウールが用いられ、短く刈りこまれている。織り方は左右均等結び(トルコ結び)のものと左右非均等結び(ペルシア結び)のものの両方が見られる。
ギアサバード絨毯について
商品解説
ヘラーティーと呼ばれる花文モティーフの色調を変えてメダリオンの構図に仕立てたデザイン様式の絨毯で、俗にマーヒー柄と呼ばれる。
マーヒーとはペルシア語で魚を意味し、ヘラーティー花文の葉の形が魚に似ているところから付けられた名といわれている。
ペルシアと中央ペルシアの中間地域にあるファラファーン地方で制作されたと見做される絨毯で、サイズは200×124㎝。
ペルシア語でドザールと呼ばれる部屋敷サイズの絨毯で、織り密度は4,200kn/dm2(1㎝角に7×6)。ペルシア絨毯の一般的クオリティー指標であらわすと45RAJ相当となり、やや細かな織りの上質な絨毯に分類される。
作品番号9094-88とよく似たデザインの絨毯だが、よく見るとメダリオンの形だけでなく、ボーダー柄やヘラーティーの文様パターンも、微妙に異なっている。
制作年代は2000年頃とされているが、保存状態は良好。文様の洗練さと精緻さにおいてやや甘い点も見受けられるが、比較的細かな織りでしっかりと織り上げられており、ファラファーンの古き良き伝統を今に伝える一枚となっている。