この手織り絨毯のお支払い方法は、次の2つからお選びいただけます。
1.オンライン/クレジットカードによるお支払い
便利で安心できる決済サービスPayPal(ペイパル)、またはStripeによるカード決済となります。PayPal(ペイパル)では、
銀行口座振替も選べます。
なお、お支払い情報と個人情報は暗号化されますので、安全にお支払いができます。
2.オフライン/銀行振込によるお支払い
商品を受け取ってから(納品後)指定期間中に、当社指定の銀行口座にお支払いいただく、安心のサービスです。
商品がお気に召さなければ、指定期間中にご返品いただければ、お支払義務は生じません。
※振込手数料は、ご購入者のご負担となります。
ペルシャ絨毯の通販サイト/ 数寄の絨毯 (すきのじゅうたん)


PERSIAN CARPET
数寄の絨毯 ppckm.net がお届けする
ペルシア絨毯情報
ペルシャ絨毯の素材
page Contents


1. ペルシャ絨毯の構成と素材
ペルシア絨毯は次の4つの構成要素から成る。
① 経(たて)糸 / Warp/ タール
絨毯の中心構造となる部分で、たて方向(垂直)に上から下まで張られる撚り糸のこと。この撚り糸は最初に織り機に張られる。絨毯が完成すると織り機から切り離され、先端部はフリンジとして処理される (フリンジが別に取り付けられる場合もある) 。経糸には羊毛、綿、絹が用いられる。
② パイル/ Pile /ポルズ(ゴルーク)
経糸に絡められて結びの集積となる色糸のこと。この色糸の毛羽により、絨毯の色柄が構成され、絨毯に弾力性が与えられる。この結び方にはトルコ結び(伝統的結び、ギオルデス結び、閉鎖型・左右均等結び)とペルシア結び(商業的結び、センネ結び、開放型・左右非均等結び)がある。パイル糸には、ウールあるいはシルクが用いられる。日本の緞通のように綿を用いるのは珍しい。
③ 緯(よこ)糸 / Weft / プード
たての撚り糸に対して直角に(水平方向に、横方向に)通される撚り糸で、織りの途中で経糸を縫うように差し込まれ組織を形成する。通常経糸と同じ素材が用いられることが多く、絨毯の裏から見ることができる。結びの列の間に通される緯糸の本数は越/シュートshootsと呼ばれ、その本数は産地によっても異なり、染めた糸が用いられることもある。一般的には、太い緯糸1-2本と細い緯糸1本が列毎に通されることが多い。
④ 耳/ Edge Finish(Selvedge) / バンデ・ケナーレ(シーラーゼ)
織りあがった絨毯の両サイドは、組織が痛みやすく、解けやすいので補強のため、かがり縫い、あるいは飾り耳の処理がなされ、別組織となることが多いこの部分は通常「耳」と呼ばれている。
2.ペルシア絨毯の素材の種類
絨毯の素材としては、羊毛、絹、綿のいずれか、あるいはその組み合わせが中心となっている。
① 羊毛/Wool /パシュム
絨毯は基本的に羊毛でできた織物であった。イスラーム社会では、羊毛は有徳の士が身にする織物として尊ばれ、その有用性とともに重視されてきた素材である。イラン高原の山間部で育てられた羊は、太くて強靭な羊毛を提供してくれるので、絨毯の素材としては最適である。とくに春から夏前に刈り取られる羊毛が良質であると言われている。羊毛にはさまざまな特性があり、それが絨毯にいろんな利点をもたらせてくれる。
② 和毛(にこげ) / Down / コルク
工房のペルシア絨毯などにコルクウール使用という解説がよく見られる。このコルクとは、羊や山羊、ラクダの柔肌に近いところに生えた柔らかいウールを指すペルシア語である。採取には櫛の歯に絡みついたものを集め、都市工房などの良質な絨毯のパイルとして用いられる。
③ 絹 /Silk /アブリーシャム
絹は独特の輝きと艶を有し、その華麗さから宮廷用の絨毯としても尊ばれてきた。蚕と呼ばれる特殊な蛾の幼虫がつくる繭から採取され、イランでも古くから産出し、主要輸出品でもあった。伝統的に絨毯づくりのための最上の絹はカスピ海周辺地域、ラシュト近辺からもたらされ、とくにソウマエサラーの絹が有名である。また絹はパイルだけでなく、経糸としてもよく使用される。これは、同じ直径のウールや綿の糸と比較すると、張力に抗してより強靭であるためで、都市の緻密な織りの絨毯には最適の素材となっている。もちろんオール・シルクの絨毯なら緯糸にも使用される。
④ 綿/ Cotton/パンベ
綿はアオイ科ワタ属の植物から採取される繊維で、主成分はセルロースである。綿繊維は絨毯づくりの重要な役割を果たし、経糸や緯糸にその使用の増加が窺がえる。綿の利点は虫に食われないことで、絨毯の経糸、緯糸に用いれば、その基礎組織が維持できるため、補修が利きやすいとされている。それにウールに比べて、張力が加わってもその伸びが少ないことでも、経糸には最適といえる。
⑥ その他の獣毛/wool, hair
英語のウールは必ずしも羊毛とは限らない。ヤギの毛やラクダの毛が遊牧民の絨毯を含む染織品に用いられることもままある。羊に限らず、柔らかくて細い毛はすべてウールwoolと呼ばれ、これが剛毛になるとヘアhairと呼ばれる。
書籍のご注文はコチラから

3.羊毛 / wool
① 羊 /sheep/グースファンド/学名 Ovis aries
羊毛は羊から採取された毛のことであるが、現在羊は3,000種に及ぶといわれるほど、人の手により改良が加えられてきた。学術的分類で表現すると、動物界・脊索動物門・脊椎動物亜門・哺乳綱・ウシ目・ウシ亜目・ウシ科・ヤギ亜目・ヒツジ属・ヒツジ(種)となる。家畜として飼育される前の羊は野生種であったが、今日の飼育種の原種として考えられているグループは次の3つである。まだ遺伝学的に特定されていないが、アジアムフロン原種説が主流となっている。
◆ムフロン Ovis musimon およびOvis orientalis
中近東の山岳地帯に生息する。比較的小さな羊で、雄の角はアモン角で湾曲して大きい。
◆ウリアル Ovis vignei およびOvis arkal
インドからイラン北部にかけての山岳、ステップ地帯に生息。アルガリの亜種ともいわれる。
◆アルガリ Ovis ammon およびOvis poli
中央アジアの山岳地帯を中心に生息。最大の羊で、小型の牛ほどある。角も湾曲して巨大。
これらの羊から家畜化が始まったが、食肉用とくに脂肪の摂取、そして採毛用である。多くの品種の中で最大のシェアを有する品種は、メリノ種である。このメリノ種は繊細な細毛が特徴で、原種は西アジア産だが、スペインで品種改良されたもの。南・西アジアではアワシ種が多く飼育されている。これらの羊は、伝統的には遊牧生活の中で飼育される。イランの場合は、わずかな牧草を求めて、移動する中で羊に食餌させながら生活を営むことになる。この生活形態も年々定住化の促進などにより減少しつつある。イランの子羊のウールは、メリノ種などに比べて太く、長さも38cmに達するものもある。
② 羊の史話
羊と人間の共存は古く、ざっと1万年ほど前に遡るとされている。旧約聖書の『創世記』のなかでも、アダムとイヴの二人の息子、カインとアベルにまつわる羊との関連が述べられている。それは、アベルは羊を牧う者、カインは土を耕す者で、神(ヤハウェ)は弟アベルが捧げた羊を「良し」とし、人類の悲劇が始まるという因縁である。思えば聖書には羊飼いに関連した逸話が数多く見られる。「迷える子羊」という字句もまさに牧師の導きを想定したものである。古代バビロニアは、ハンムラビ王時代(前1792-前1750)には採毛用と食肉用の羊がすでに飼育され、「羊毛の国」の語源ともなったといわれる。また貴重であった羊は、地中海世界へと伝わり、ギリシアで「黄金の羊」伝説を生み出した。神への犠牲である羊や生業であった牧羊にまつわる話は、ユダヤ教、キリスト教、イスラームに頻繁に語られるとともに、東洋でも羊という漢字から導き出されるエピソードには事欠かない。
③ 羊毛の特性
羊毛は独特の階層構造をもち、また、タンパク質繊維であることから、
次のような特性を有する。
◆弾力があり、保温性に富む。弾力性・保温性
羊毛繊維は、クリンプ(捲縮)しており、このクリンプが弾力性を生み、糸に膨らみをもたせる。この膨らみが、含気率を高め、保温性を向上させる。
◆湿気を吸収し、水を弾く。吸湿性(放湿性)・撥水性
羊毛繊維の表面は、疎水性で水を弾く一方、繊維内部は親水性であるため、吸湿性に富む。この性質が夏に湿気を取り、蒸れを防ぎ、肌にべとつかない快適感を与える。
◆型崩れやシワになりにくい。回復性