top of page
アンカー 1

PERSIAN CARPET

数寄の絨毯 ppckm.net がお届けする

ペルシア絨毯情報

ギアサバード絨毯​について

ギアサバートという同音の地名は、イラン国内に複数にあり、この名だけで、制作地を特定することは困難だが、同産地とされる複数の絨毯に見られる特徴的なデザイン様式から、西ペルシアと中央ペルシアの中間地域にあるファラファーン地区に点在する小さな絨毯産地のひとつではないか…と推測される。

 

イラン中西部に位置するファラファーン平原は、19世紀から傑出した絨毯の生産地として西欧に知られているが、ただ、その生産地としての概念は意外と漠然としており、よくアラークとゴム(クム)、カーシャーンの間にある三角地帯と説明されることがある。

 

アラークはかつてソルターナーバードと呼ばれ、19世紀ヨーロッパにペルシア絨毯の需要が高まった頃、マンチェスターに本拠を置くズィーグラー商会が欧州向け絨毯の現地生産に着手した地である。

 

またゴム(クム)は今日、絹絨毯の産地としてよく知られ、ファラーハーン絨毯に類似した構図の絨毯もよく織られている。

 

歴史ある工芸の街カーシャーンはサファヴィー朝以来、数々の名品絨毯を生み出してきた地である。

 

いずれにしても、19世紀末からファラーハーン地区では見事な絨毯づくりが行われてきた。因みに、この地区で制作される絨毯のデザインは大きく3つの類型に分けることができるとされる。

まず第1は、細かいモティーフが散りばめられた総柄のタイプ。このモティーフには、ヘラーティー、ゴレ・ヘンナ(ヘンナの花)、ボテ、ミーナー・ハーニーなどが用いられる。ヘラーティーとはアフガニスタンのヘラート(かつてはペルシア領)に由来するモティーフで、花や葉で構成された複雑なパターンである。この葉が魚に似ることからマーヒー(ペルシア語で魚の意)とも呼ばれる。

 

このマーヒー意匠は北西ペルシアでよく見かけるが、18世紀アフシャール朝のナーデル・シャーがヘラートからデザイナーや織り職人をこのあたりに移動させたことにより伝えられ、発達したデザインだともいわれている。

第2のタイプは、上記モティーフの色調などを変化させてメダリオンの構図を形成するデザインの絨毯である。このメダリオンの形状には、ダイアモンドや六角形、楕円などがあり、上下のペンダントを強調したものも見かける。

そして最後、第3のタイプとして、一般的なメダリオンがある。織りの特徴としては、地組織には経糸、緯糸とも綿が使用さおり、パイルには上質でしっかりとしたウールが用いられ、短く刈りこまれている。織り方は左右均等結び(トルコ結び)のものと左右非均等結び(ペルシア結び)のものの両方が見られる。

ペルシア絨毯の産地情報はコチラから

bottom of page