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ペルシア絨毯情報
PERSIAN CARPET

数寄の絨毯33243/ペルシア
カシャーン(カーシャーン)
メダリオンコーナー文様絨毯
約208x135㎝
¥379,000
商品登録情報
商品名/カーシャーン(カシャーン)
メダリオン・コーナー文様絨毯
品番/33243-145
製作年代/1950年頃(経年50〜70年/未使用品)
サイズ/208x135㎝
パイル/ウール
縦糸/綿
織り密度/1㎝角に6×6=36kn(ノット)
計算上の総ノット数/1,010,800kn
※knとはknot(ノット=結び)の略
手織り工程における所要製作時間/約1,011時間
(熟練工/織り手のスピード1,000kn/時として換算)
※1,010,800kn÷1,000kn=1,011時間
手織り工程における所要製作日数:約126日
※1,011÷8=126(1日8時間労働として換算)
①基準単価:¥250/1,000kn
②百分率評価:150%
③単価評価:(①×②)/1,000kn=¥375
販売価格:¥379000
※1010,800kn×制作単価評価(¥375/1,000kn)=¥379,050
※①基準単価とは
作品価値の根拠(質と価格の関係)となるものを明確して、ご提案させていただくために、制作原価の約70%を占めるといわれる…織り職人の労働単価を基準ベースとして、本サイトが独自に算出させていただいた1,000kn(ノット)あたりの…ペルシア絨毯の標準的評価額
※②百分率評価とは、
ペルシア絨毯の標準的評価(①基準単価)と対象作品の現地評価、その差異を指数で表したもの。
③単価評価
対象作品(絨毯)の1,000knあたりの評価額。
<詳しくはコチラから>

絨毯中央に大きなメダリオンを置き、その上下にペンダント(サルトランジ)を配した…オーソドックスなメダリオン・コーナー・デザインの絨毯。今からおよそ60年前の1950年代初頭に制作されたと見られる絨毯で、制作地はカーシャーンとされている。この当時のイランは、バハラヴィー朝のモハンマド・レザー・シャーの時代となり、敗戦国であった日本の戦後と同様に、アメリカの文化が急速に流入し、イランの文化に影響を及ぼしはじめた時代でもあったが…絨毯生産においては、その主要な輸出先は、依然としてヨーロッパであり、伝統的な色彩の強いカーシャーン産の絨毯はとくに好まれたようである。
カーシャーン独特の暗い赤のフィールドに乱舞する花卉(かき・花の咲く草)文様、濃紺を背景として、ボーダー内で華麗に展開するバルメット花文。オーソドックスな装飾要素で固められた…この絨毯には、カーシャーンの伝統的パターンが維持されており、この時代の空気感というものが感じられる。古き良き時代のカーシヤーンの伝統や格式といったものを垣間みせてくれるような一枚である。サイズは208x135㎝ペルシア絨毯の一般的クオリティー指標であらわすと40RAJ相当で、さほど細かな織りの絨毯ではないが、文様は巧みに織り上げており、カーシャーンらしい技術の高さを示している。同クラスの絨毯と比較して、評価額は若干高めとなっているが…これは制作されてから50年以上というオールドのヴィンテージ評価が付加されているため…と思われる。
カーシャーン(カシャーン)・メダリオン・コーナー文様絨毯:208x135㎝
ペルシア語でドザールと呼ばれる中振りサイズの絨毯で、2人掛け、3人掛けのソファー前の
中敷などにご使用いただけます。
商品解説
カーシャーン(カシャーン)絨毯について
ペルシア絨毯のトップクラスについて語られる時、しばしば掲げられるのがエスファハーンとカーシャーンの名である。カーシャーンはエスファハーンとテヘラーンのほぼ中間に位置し、古くから工芸の町として栄えてきたところで、陶器やタイル、絹織物など、様々な分野で、すぐれた作品をつくりだしてきた。このためカーシャーニー(カーシャー人)は、ペルシアの工芸分野では常に尊崇を集める存在であったといわれる。
また、この町はシャー・アッバース1世が愛した町としても知られており、サファヴィー朝当時、王室専用の絨毯工房が置かれ、誉れ高きカーシャーンの職人の手によって、高い芸術性を有する優れた作品が数多く作り出されてきたといわれている。今日、その一部をオーストリア工芸美術館所蔵の帝王狩猟文絨毯やロンドンV&A博物館のアルダビール絨毯、ニューヨーク、メトロポリタン美術館の絹絨毯などに、見ることができる。
カーシャーンは、絨毯工芸の分野では、今も第1級の絨毯産地であり、ウールのみならず絹製の絨毯も数多く造られている。サイズは街の工房ではあらゆるフォーマットのもの、部屋サイズの12㎡までのものがつくられており、カーシャーン郊外の村では通常ドザールと呼ばれる1.5×2.2mまでのものが数多く織られている。カラーは鮮明なブルーや赤、それにベ―ジュやアイヴォリーがフィールドに、装飾用にはいろんな色彩が用いられている。色調はかすかに輝きを保持しその優れた特質を示している。
デザインパターンは、オーソドックスな伝統柄、メダリオン文や総柄のアフシャーンのものが多く、メヘラーブや花瓶文、ピクトリアルなどがそれに次ぐ。地組織には縦糸、緯糸とも、素晴らしい紡ぎの綿か絹が用いられている。織りはペルシア結びの緻密な織りで、密度は2,000kn〜10,000kn/dm2(1㎝角に5×4=20knから10×10=100kn)。絹のものはさらに細かい織りのものもある。パイル素材には良質のウールが用いられ、良品ではコルク・ウールのものやデザインの縁取りに絹を用いたものなどが見受けられる。品質はペルシア絨毯でも最良のものに属し、丈夫で装飾性にも富む。よいものだと、とくに古いオールドやアンティーク絨毯には、高い資産価値があるとされている。