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PERSIAN CARPET

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ペルシア絨毯情報

都市の絨毯/ナイン絨毯/ナーイーン産絨毯​について

ナーイーン(ナイン)は地理的にイランのほぼ中央に位置する小さなオアシス都市で、人口は2万人前後。エスファハーンからヤズドへの中間地点にもあたり、かつては上質なウールの布の産地として有名だったが、機械織り製品の氾濫と共にテキスタイル産業(アバー)が衰退し、1920年代にはテキスタイル業者の多くが絨毯業へと転身をはかったとされる。ナーイーン(ナイン)の絨毯づくりは、エスファハーンの技術に学んだとされているが、ハビービヤーン工房の出現が大きな転換点となって、その高い品質とデザインが世界的評価を受けるようになり、1980年代には、ペルシア絨毯の5大産地のひとつに数えられるまでに発展したといわれる。

ナーイーン産の絨毯のカラーは、濃淡のブルー、白、アイボリー、ベージュ、レンガ色を主色とする落ち着いた色調が中心で、日本人好みの絨毯とされている。ナーイーン産の絨毯の大きな特徴のひとつとしてあげられるのは、モティーフの輪郭を白い絹でとって文様を浮かびあがらせる手法で、このページの下段でご紹介させていただいる作品にも用いられている。

 

デザインはオーソドックスなメダリオン・コーナーが中心だが、メダリオンの形象にはナーイーン(ナイン)産の特異性が見られる。サイズは小さなものから部屋敷きサイズのものまで多種多様なサイズが制作されているが、ランナー・タイプのものはほとんどつくられていない

パターンは、ほとんどのデザインが、密接に関係のあるエスファハーン絨毯から採用されている。素晴らしいアラベスクや極度の精密さで描かれたパルメット、ロゼット、葉文様が用いられる。通常メインボーダーの横には、細いマイナーボーダーあるいはガードの縞模様が沿えられる。

地組織は、たて糸、よこ糸とも細く撚られた綿糸あるいは天然の絹糸が用いられる。ナーイーン絨毯のノットは、ペルシア結びで織られ、ウールで30RAJから、絹になると80RAJにも達する。パイルは、コルク・ウールあるいは非常に良質のウール、絹などが用いられる。これらは混在することもあり、例えば縁取りやコントラストを付けるために絹が用いられる。そのため、表面は浮彫調になる。毛足は短く、あるいは非常に短く刈られる。

品質:絨毯は良質のウールや絹でつくられ、最良、高価なペルシア絨毯に属する。装飾性に富み、将来は価値あるアンティークになり、投資価値もあるとされる。オールドは高価、アンティークはまだない。

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