ペルシア語で、ザロニームと呼ばれる1畳サイズのバルーチ絨毯。縦糸にウールを用いた伝統的な技法で製作されたシングルウェフト織りの絨毯で、見掛け上の織り密度は1㎝角に5×5=25kn(ノット)。ペルシア絨毯の一般的なクオリティー指標で表記すると35RAJ(ラジ)相当となります。
メイン・モチーフとして用いられているのはペイズリーの名で知られる植物文モティーフ。イランあるいはインドが起源とされているこのモティーフは、イランでは潅木あるいは葉の茂みを意味するボッテあるいはブーテ、インドではブーターと呼ばれています。
絨毯のモティーフとしてボテ文が盛んに用いられるようになったのは18世紀以降のこと。ヨーロッパで大流行したカシミール・ショール、それに続くケルマーン・ショールの影響を受けてのことと見られます。
また、このモチーフはイラン全土の広い範囲で用いられており、その形も産地によって様々にアレンジされています。都市部では装飾性のあるボテが多く見られ、ボテ・ジェッゲ(飾りボテ)と呼ばれる。部族民が織るボテは本作のように幾何学文的で鷲のような形態からボテ・オガービー(鷲のようなボテ)と呼ばれることもあります。
メイン・ボーダー、サブ・ボーダー、それぞれの角に…辻褄の合わない不整形な文様が見られますが、これがこの絨毯のチャームポイント。機械織りの絨毯には出せない手織りの味。部族民絨毯特有の、人の手の温もりを感じさせる…手作り感あふれた素朴な味わいのある絨毯となっています。
33118-25/バルーチボテ反復文絨毯/171x114㎝
商品名/バルーチボテ反復文絨毯
品番/33118
生産地/イラン・ホーラサン地方
製作年代/現代(経年1〜10年/未使用品)
サイズ/約171x114㎝
素材/ウール100%
縦糸/ウール
織り密度/1㎝角に5×5=25ノット