ペルシャ絨毯の通販サイト【数寄の絨毯】| 分かりにくいペルシャ絨毯の質と価格の関係を丁寧に解説。  適正評価による適正価格での販売を心掛けています。ペルシャ絨毯の商品価値、美的価値をご理解いただいてから、お買い求めいただけるようご提案させていただいています。

今からおよそ60年前の1950年代初頭に制作されたと見られる絨毯で、制作地はカーシャーンとされています。この当時のイランは、バハラヴィー朝のモハンマド・レザー・シャーの時代となり、敗戦国であった日本の戦後と同様に、アメリカの文化が急速に流入し、イランの文化に影響を及ぼしはじめた時代でもありましたが…絨毯生産においては、その主要な輸出先は、依然としてヨーロッパであり、伝統的な色彩の強い、本作のようなカーシャーン産の絨毯が好まれたと言われています。

デザインは、絨毯中央に大きなメダリオンを置き、その上下にペンダント(サルトランジ)を配した…オーソドックスなメダリオン・コーナー様式の絨毯で、カーシャーン独特と言われる暗い赤のフィールド内には、乱舞する花卉(かき・花の咲く草)文様、濃紺を背景とした、ボーダー内ではバルメット花文が華麗に展開するなど、カーシャーンの伝統的パターンが維持されており、この時代の空気感というものが感じられ、古き良き時代のカーシャーンの伝統や格式といったものを垣間みせてくれるような一枚となっています。サイズは208x135㎝ペルシア絨毯の一般的クオリティー指標であらわすと40RAJ相当で、さほど細かな織りの絨毯ではありませんが、文様は巧みに織り上げられており、カーシャーンらしい技術の高さを示しています。同クラスの絨毯と比較して、評価額は約1.2倍ほど高めとなっていますが…これは制作されてから50年以上というオールドのヴィンテージ評価が付加されているため…と思われます。